1)はじめに

この宇宙は拡大しているとされています。では、なぜ拡大しているのでしょうか?ここでは物理法則にとらわれず、その理由について考察してみたいと思います。なお、本記事は一個人の思考実験であることをご理解いただければ幸いです。

現在の宇宙論

拡大する宇宙

現時点での宇宙論では、宇宙が拡大している理由は「ビッグバン理論」によって説明されています。この理論によると、約138億年前に起こった大爆発が、宇宙のすべての物質とエネルギーを極端に高温・高密度の状態から急激に拡散させ、その結果、宇宙が膨張し始めたとされています。

宇宙の膨張が現在も続いている証拠として、「赤方偏移」があります。遠くの銀河が地球から遠ざかっていることが観測され、その光が赤い波長にシフトしている(赤方偏移)ことから、宇宙全体が膨張していることがわかります。

さらに、宇宙の膨張は「ダークエネルギー」と呼ばれる未知のエネルギーが関係しているとされています。ダークエネルギーは宇宙全体に均等に存在し、重力とは逆に働いて、宇宙の膨張を加速させていると考えられています。しかし、ダークエネルギーの正体はまだ完全には解明されていません。

このように、宇宙が拡大している理由は、ビッグバンによる初期の膨張と、それを現在も加速させているダークエネルギーの存在に起因しています。

宇宙の拡大はいつか止まるのか?

過去には、宇宙の膨張が最終的に止まり、宇宙が縮小に転じる可能性があるとする「ビッグクランチ」というシナリオが提唱されていました。しかし、現在ではその可能性は低いと考えられています。

その理由として、上記に述べた宇宙の膨張を加速させている「ダークエネルギー」の存在があり、この影響が続く限り、宇宙は無限に膨張し続ける「ビッグリップ」や、非常にゆっくりとした冷たい死に至る「熱的死」といったシナリオがより現実的とされています。

2)では、宇宙が拡大している理由とは?

宇宙が拡大する意味や、そもそも宇宙が存在する理由という問いは、物理学を超えた形而上学的、哲学的なテーマです。

1. 哲学的な視点

存在論的視点: 存在論においては、宇宙がなぜ存在するのか、あるいは拡大し続けるのかという問いは、存在そのものに対する根本的な問いかけとされています。哲学者たちは、宇宙が「存在すること」と「存在しないこと」のどちらが自然なのか、また存在することにどんな意義があるのかについて議論してきました。

テレオロジー(目的論): 目的論的視点では、宇宙が何かしらの目的を持って存在し、拡大しているのではないかという考えが議論されます。この視点に立つと、宇宙の拡大はある種の目的や最終的な目標に向かっていると考えることができます。

2. 科学的・形而上学的境界にある議論

アンサンブル仮説(マルチバース): 一部の科学者や哲学者は、私たちの宇宙が無数に存在する「マルチバース」の一つに過ぎないと考えます。この仮説に基づくと、宇宙が拡大する理由や意味は特定の「意味」を持たず、むしろ無数の可能性の中の一つの現れに過ぎないかもしれません。

3. 無意味の意味

カミュの不条理哲学: フランスの哲学者アルベール・カミュは、宇宙や人間の存在に意味がないことを受け入れ、その無意味さの中に生きることの意義を見出すべきだと主張しました。宇宙が拡大することにも特別な意味はないが、その無意味さを理解すること自体が重要であるという考え方です。


これらの視点はそれぞれ異なる立場からの解釈を提供しますが、最終的には「宇宙が拡大する意味」は個人の世界観や信念によって異なる解釈が可能です。科学は「どのように」宇宙が拡大しているかを説明しますが、「なぜ」拡大しているのか、あるいはその「意味」については、哲学や宗教、個々の信念に委ねられています。

3)宇宙が拡大している理由を考察する

時間の流れ

私たちは、過去を通って現在があり未来につながる時間を生きています。しかし、物理学や哲学の一部では、「未来から過去へ」時間が流れているというユニークな概念が議論されています。

例えば、「逆因果律」という概念は、通常の「因果律」—すなわち、原因が結果に先行するという関係が、時間の流れを逆にしても成り立つという考えです。ここでは、「未来の出来事が現在や過去に影響を与える」という概念が議論されます。逆因果律は、主に量子力学の文脈で提案されています。

また、量子力学では、観測が行われる前の量子状態が「決まっていない」とされる一方で、一部の理論では観測によって過去の状態が決まる(つまり、未来の観測が過去の状態を定義する)という考え方があります。この理論は量子力学の解釈の一つであり、決定論や自由意志との関係についても議論されています。

これらの理論や仮説は、「未来から過去へ」という時間の流れに関する考え方を示していますが、いずれもまだ理論的な段階にあり、実証されたものではありません。

未来から過去へ巻き戻していく

では、ここで思考実験を行いましょう。未来から過去へ時間が流れていると仮定します。そうすると、宇宙は拡大から縮小へと向かっていることになります。

まずは、現在の時間を進めます。遠く無限に拡大した宇宙には物質は離れ離れで、たったひとつの存在しかありません。

想像してみてください…

無限の空間に漂う粒(つぶ)が、未来から過去への時間に乗って縮小へ向かっていく…

そして、粒(つぶ)は集まり始めます。

無限からいま、宇宙誕生138億年といわれる時間(とき)に「私」という容(かたち)になりました。

無限の空間に漂う粒(つぶ)が「あなた」という容(かたち)になり、

私たちは、出会ったのです…

そして、これから「私」も「あなた」も「すべて」が縮小へ向かい「ひとつ」になります…

4)終わりに

この思考実験は、ただの妄想かもしれません。実際のところ、何が正しいのかはわかりませんし、特定の信仰があるわけでもありません。

また、「では、なぜ縮小するのか?」の新たな疑問点の解決にもなっていません。

それでも、現在の認識として宇宙が広がってき、どんどんバラバラになっていく…そんな孤立感が人々の争いの一因なのかもしれないと考えていました。

もし、夜空を見上げたとき、逆に進む時間の流れの中で、そんな宇宙物語から自分が成り立っていて、人も成り立っているかもしれないと思ってみてください…そこから、自分や他者をもっと大切に思う気持ちが生まれたら素敵だなと思いました。

お読みいただきありがとうございます。

追記(2024.08.31)-

未来 → 現在 → 過去 という流れならば、
「いつか(未来に)幸せになれる」と思うのではなく、
今、幸せになってください。

そして、これから向かう過去は…
例え、あなたの過去にどのような過ちや心の傷があっても、
今、幸せになってください。

過去は変えられる」とは、現在に生きた結果が過去になるということなのです。
怖がらないで、今を大切に生きてください。

今、幸せになる設定をしてください。
今、幸せになる設定をして、そのように動いてください。

今、幸せになってください。

あなたが笑顔になりますように…


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