1)はじめに

生きる意味を求めて探していくと、「この世に生まれてきたのは魂を成長させるため」との答えに出会うことがあるかと思います。でも、なぜ成長させないといけないのか? ここでは、その疑問を考察していきます。

そもそも、魂を成長させるためとは何か

魂って何?

まず「魂」について話します。「魂」とは、あなたの中にあるとされる、見えないけれどとても大切な部分です。心や感情、意識のようなものだと考えてみてください。

魂の成長ってどういうこと?

「魂を成長させる」というのは、心や意識がより豊かで、賢く、優しくなっていくことを意味します。これは、学校で勉強をして知識を増やしたり、スポーツや趣味を通じて新しいことを学んだりするのに似ています。

なぜ生まれてくるのか?

スピリチュアルな考え方では、人間が生まれてくるのは、いろいろな経験を通じて魂を成長させるためだと言われています。人生の中で、楽しいことや嬉しいことだけでなく、辛いことや悲しいこともたくさん経験します。こうした経験を通じて、人は他人への思いやりを持つようになったり、自分をよりよく理解するようになったりします。

例え話で考えてみよう

例えば、ゲームのキャラクターがレベルアップするために、いろんなクエストや冒険に出かけて、新しいスキルを身につけたり強くなったりするのと同じです。人生というゲームの中で、私たちはいろんな経験を通じて魂を成長させていると考えるのです。


このように、スピリチュアルな考え方では、人生の目的の一つは魂を成長させることだと考えられています。これは、毎日の経験を大切にして、自分自身をよりよくするために努力することの大切さを教えてくれる考え方です。

2)なぜ魂を成長させないといけないのか? の問題点

命題が無限後退では?

無限後退とは、ある質問に対して答えが得られても、その答え自体がさらに別の質問を生むという状況を示した哲学的議論の問題点のことです。

例えば、「なぜこの命題は正しいのか?」という質問に対して、「それは〇〇だからだ」と答えたとします。しかし、「では、なぜ〇〇なのか?」という次の質問が生じ、これに対して「それは□□だからだ」と答え、さらに「なぜ□□なのか?」と続いていく場合が典型的な無限後退の例です。

具体例として説明します。

命題:ある人が「この椅子は存在する」と知っている。

  1. 質問:「なぜあなたはこの椅子が存在することを知っているのですか?」
    • 答え:「それは私がこの椅子を見ているからです」
  2. 質問:「なぜあなたは見たことを信じることができるのですか?」
    • 答え:「それは私の視覚が信頼できる感覚だからです」
  3. 質問:「なぜあなたの視覚は信頼できると知っているのですか?」
    • 答え:「それは過去の経験から、私の視覚は正確であるからです」
  4. 質問:「なぜ過去の経験が正確であると信じることができるのですか?」
    • 答え:「それは私の記憶が正確だからです」
  5. 質問:「なぜあなたの記憶は正確であると知っているのですか?」
    • このように続けていくと、最終的には無限に理由を求め続けることになり、これが「無限後退」の典型的な例となります。

命題:なぜ魂を成長させないといけないのか?

命題:なぜ魂を成長させないといけないのか?

  1. 質問:「なぜ魂を成長させないといけないのですか?」
    • 答え:「それはより良い魂を統合するためです」
  2. 質問:「なぜより良い魂を統合するのですか?」
    • 答え:「それは全体を高次元に上げるためです」
  3. 質問:「なぜ全体を高次元に上げるのですか?」
    • 答え:「それは宇宙が進化するためです」
  4. 質問:「なぜ宇宙が進化しなくてはいけないのですか?」
    • 答え:「それは…………(以下、続く)

どこに行きつくのでしょうか? 結局、"神"しか分からないということで結論付けられているように思えます。

3)なぜ魂の成長の理由が必要なのか?

なぜ魂の成長の理由が必要なのか?

そもそも、なぜ魂が成長する理由を探していたのか? 人生がツラかったりうまくいかないことが多いために、生きる理由を探していたのではないでしょうか?

そこで、「生きる=魂」があるのは、成長するためだという理由がしっくりきたのですよね。

さて、仮に、魂の成長する理由が、「宇宙が進化するため」だったとします。ここでは、「なんで進化しないといけないの?」という新たな疑問は置きましょう。

「宇宙が進化するために、あなたは生きている、いまツラいのもあなたが成長することによって宇宙がより良く進化するためです」が答えだったとして、それで、いいですか?

つまり、宇宙のためにあなたは幸せではない。なぜ宇宙のために、あなたが我慢しなくてはいけないのでしょうか?

確かに、生かされている感覚はあると思います。でも、気づいてください。魂の成長の理由は無限後退であったと! そう、いまは仮としましたが、「宇宙が進化するため」も本当かどうか分からないのです。分からないことのために、あなたが我慢する必要はない、ここがポイントになります。

4)結論

命題の無限後退を避けるために、直接知覚によって、それが自己証明的であるという主張が可能です。

例えば、「私は今この椅子を見ている」という視覚経験は、「直接的で疑いようのないものであり、他の理由を必要としない」といえます。つまり、自分の感覚を信じていけばいいのです。

現状が苦しいということは、幸せになりたいということです。我慢しないでください。逆にいうと、この困難をクリアしてこその成長です。なぜ、成長しなくてはいけないのかと問うことではなく、解決の道を探りませんか? そこに成果があるのだと思います。

それと、「なぜ魂を成長させないといけないのか?」の答えは"ない"のだと落ち込まないでください。私は逆に、その設問の答えを固定してしまうことのほうが危ない気がします。

あなたが救いを求めているのは、より良く生きたいから、それは固定するものではなく流動していくものだと思います。

他者との関係、社会との関係でエネルギーを交流させていく、喜んだり悲しんだりを体験する……それが生きていることなんじゃないかと思いました。意味を求める前に感じてみてください。

「悲しい」「ツラい」という感じ、それはなぜですか? どうしたら「楽しい」「幸せ」になるでしょうか?その方法を探しませんか?

なぜ魂を成長させないといけないのか?

「修行のため」、「遊ぶため」、「愛を知るため」……そのときにセレクト(選択)していいのではないでしょうか? 誰の人生でもない、あなたの人生を作っていきましょう。あなたが正解を決めてください。

「愛犬と過ごすため」、「歌うため」、「愛するため」、もしかしたら、この人生全部が「魂を休ませるため」かもしれません。疲れたら休んで、また一緒に進みましょう。そんな世界なんですよ。しっかり生きて素敵な世界を見つける、どうしたらいいのか考える。諦めないでください。あなたを応援しています。

お読みいただきありがとうございます。

追記(2024.08.11)-

感じてください。
空の青さの美しさを、
そよぐ風の心地よさを、
こんなにも多くの草花があることを、
意識せずとも心臓が拍動していることを、

なぜ水が沸くのか?
物理法則では説明できるでしょう。
でも、水がお湯になる意味は?
考えてみてください。

世界は面白いですよ…


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