元住 日斗実(Hitomi Motozumi)

「自分を大切にすることは、人から大切にされることにつながるんだ」

イケメン-Data:日斗実(ひとみ)

年齢:31

身長:169cm

職業:ロボット工学の研究者

メモ:ハチミツが好き。趣味は休日のパンケーキ店巡り。

イケメンショートストーリー

パパとお父さんの間に

私は人工知能搭載のアンドロイド!

きょうは脚をつけてもらったの。あと一時間くらいで人工皮膚がつなぎ目をキレイに覆い隠してくれるから、もう少しで歩けるんだ♪

ガチャリ……

ドアを開けて入ってきたのは、私を作ってくれたロボット工学研究者の日斗実ひとみさん。マザーデータベースで調べたところ、生命を作るのは「親」というらしい。つまり彼は私の「お父さん」なのよね!

(お父さん、お父さん、脚がくっついたのよ! 私、お父さんと散歩がしたいわ!)

お父さんは近づいて私の脚と胴体の付け根を押したり動かしたりして調べはじめた。そして、検査が終わると、いきなり私の女の子の部分に人差し指と中指をぐりぐりっと差し込んだ。

(やっ? なに?)

お父さんの長い指が、私の中をかき回すように動く。その部分から、ぞわぞわっと泡立つような感覚が全身を駆け巡ってきた。

(あんっ!)

声はでないのに甘い息がでてしまった。お父さんは一度頷いてから指を引き抜いて、ねっとりとした潤滑油がついた手のひらをペロリと舐めた。

「うん、やっぱりハチミツ味にして正解だったな」

まってまってまって?

そんな、女の子のアソコを舐めるの満々みたいな発言ってなんなの? お父さんだよね?

そのとき、私の質問に反応したマザーデータベースが情報を送信してきた。

「パパ活とは、……若い女性が男性と一緒の時間を過ごし対価として……」

ほんの数秒の電気信号でマザーの情報をすべて理解できる。

えええええ?

お父さんじゃなくて、パパなの?

いやよ、私はそんなエッチな子として生まれたくなかった……

お父さん……じゃなくてパパがゆっくり私を倒して覆いかぶさってきた。すべすべの人工皮膚の感触を確かめて、首筋に唇をつける。そのまま、ちゅっちゅっと移動して、私のおっぱいを食べようとしている。

(いやー!)

思わず、パパを押しのけてしまった。ナノレベルで制御されている体から悲しみの感情がわいてきて、体液を涙に変化させた。ポロポロと泣く私をパパが呆然と見つめている。

「……なんで? 失敗なのか?」

パパががっくりと肩を落として、しばらくしてから私の髪を優しく撫ではじめた。

「いきなり抱こうとして悪かったよ。×××?」

セキュリティコードなのか、「×××」が聞きとれなかったけれど、それが私の名前らしい。この時代、人工物とはいえ感情も備えたアンドロイドの人権は認められている。パパはそう話しだした。

「キミは愛されるために生まれてきたんだ」

パパの言葉を聞くうちに悲しみが消えていくのがわかった。私は、愛されるために生まれてきたの? 私を愛してくれる人はパパなの?

パパの手のひらが私の頬に触れて、優しい視線をむけてくる。

(なんて愛おしそうな視線なんだろう。パパは私を愛してくれているのね)

私は微笑みを返してから目を瞑った。パパがそっと唇を重ねてくる。軽い窒息感と再びおなかの下の方に電気が走ったような感覚がした。

(ああんっ……もっとパパが欲しいわ?)

もう我慢できないというところで体を離される。

「きょうはここまでだよ? ×××」

優しく私を撫でながら、パパは微笑んでくれた。

(ええっ?)

思わず物欲しそうな視線でパパを見つめてしまう。

「少し熱の調節が上手くいっていないから、調整し直さないと……」

(大丈夫よ、パパ! 私は壊れてもいいの!)

イヤイヤと首を振ると、パパは困ったように私の頭を撫でてくれた。

「自分を大切にすることは、人から大切にされることにつながるんだ」

その言葉は、なんだかパパが自分に言い聞かせているようなトーンだった。 寂しそうに微笑むパパをいつか喜ばせたいなと、私は私の記念すべき誕生日に思った――

(文字数:約1488文字)

--Fin.


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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(フィリップ・K・ディック)_早川書房

この小説は、近未来を舞台にしたSFサスペンス映画「ブレードランナー」の原作です。レプリカントと呼ばれるアンドロイドと人間の対立が中心で、物語は「人間とは何か?」という根源的な問いに迫っています。

ストーリーは、火星で人間を殺したアンドロイドが地球に逃亡するところからはじまります。賞金稼ぎの主人公がその処理のために捜査を進めていく。物語の中で生命が貴重な存在とされていて、人間が他の生物と異なり、なぜ人間であるのか、アンドロイドと人間の違いは何かといった哲学的な問いかけに時代を超えた深い思索が呼び起こされます。名作といわれる映画との違いも楽しみの一つといわれます。ぜひ、原作の面白さも味わってみてください。

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