もくじ
1)はじめに
「あなたが幸せになることが相手への仕返しです」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。これはアイルランドのことわざ、「泣くな、復讐しろ。最高の復讐は幸せな人生を送ることだ」に由来しています。この言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか。本記事では、この言葉の背景や本来の意味について考察してみたいと思います。
「最高の復讐は幸せになること」とは
人は誰かに傷つけられたとき、つい仕返しをしたい気持ちや、相手の不幸を望む気持ちが湧いてくるものです。そんなときに、「最高の復讐は幸せな人生を送ることだ」と言われて、すぐに納得できるでしょうか。調べてみると、この言葉は「仕返しをすると、相手と同じレベルに成り下がってしまう」や「相手のことを考え続けることは、心が相手に囚われたままである」といった意味があるとされています。
こうした説明を読めば、ある程度は納得でき、安心感を覚えるかもしれません。しかし、実際には悲しみや苦しさが完全に消えることは少ないのではないでしょうか。
2)幸せにならないことは相手への仕返し
あなたは、「自分が幸せにならないこと」で相手に復讐を果たしていると感じているかもしれません。これは、自分が不幸でいることで相手に罪悪感を抱かせ、苦しませることができると思っているからです。
相手は、今のあなたの状況を知らないかもしれません。それでも、いつかその状況を知ったとき、もしあなたが幸せに見えれば、相手は「自分は許された」と思うかもしれません。逆に、あなたが不幸な状況であれば、相手は罪悪感を感じ、苦しむことでしょう。
これは、あなたが幸せになりたくない理由 です。
しかし、その一方で、あなた自身もこの考えによって罪悪感を抱えているのです。
罪悪感が不幸を引き寄せる
心理の成り立ちについてはここでは触れませんが、相手を恨む気持ちから生じる罪悪感が、心の奥底に潜む「罰せられたい(罰則)」という欲求を引き起こし、次々とあなたに不幸が降りかかるのです。
罰(罰則)を引き寄せることについては後述しますが、「あなたが幸せにならないことは復讐としての意味をなさない」ことは心に留めてください。
ここから、
「あなたが幸せにならないことは復讐になっていない」 → 「最高の復讐は幸せな人生を送ることだ」
この図式が導かれているのです。
「本当は復讐になっていない=最高の復讐としての幸せな人生を送っていない」となるのですが、だからといって、いつまでも相手を許せない自分を責めないでください。
あなたがいままで抱えてきた「許せない」という思いは、確実に相手に届いています。そして、相手を苦しめています。相手が全く苦しんでいなければ、あなたが罪悪感を持っているのはなぜですか? あなたが相手を苦しめていなければ、あなたが罪を感じることもないハズです。
3)罪悪感が不幸を引き寄せる
カラーバス効果とアインシュタインの「最高の質問」
カラーバス効果とは、ある特定のことを意識し始めると、日常生活の中でその情報が自然と目に留まりやすくなる現象を指します。「今日のラッキーカラーは青」と聞いたとき、その日は青色のものが目に入りやすくなる、というような経験があるかもしれません。
さて、20世紀最大の物理学者とされるアルバート・アインシュタイン博士の「この宇宙は、果たして優しい場所だろうか」という問いがあります。これは、アインシュタイン博士の「最高の質問」と呼ばれ、人間の幸福や信頼感の土台として、世界に対する基本的な見方の重要性を指摘したものです。
彼の考えでは、「宇宙は優しい」と感じられる人は、他者と信頼し合い積極的に生きることができると述べています。逆に「宇宙は敵対的だ」と感じる人は、警戒心や恐れを抱き孤立しがちです。この質問を通じて、アインシュタイン博士は、子どもに対する教育や周囲の環境がその人の基本的な人生観をどのように形作るかを強調しています。
この言葉が示唆するのは、私たちの基本的な信念や視点が、その人の生き方を大きく方向づけるということです。
カラーバス効果による関連付け
つまり、心に罪悪感があると、「罰せられたい」という無意識の欲求が、不幸な出来事を引き寄せるように感じることがあります。スピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、これは一種の観念(物事に対する考え方)に過ぎません。
たとえば、小さな嘘をついた後に何か失敗すると、その嘘と失敗を無意識に結びつけ、「これは罰なのだ」と感じてしまうことがあります。しかし、実際には「嘘」と「失敗」は無関係です。私たちが心に抱く観念が、このような関連付けを生んでいるのです。
相手を許せなくてもいい
あなたを傷つけた相手を恨む気持ちがあるのは自然なことです。もし、その思いから罪悪感や苦しみを感じても、相手も苦しんでいるなら「それも悪くない」と思うかもしれません。少しブラックユーモアで言えば、「相手を地獄に引きずり込んでやる」という気持ちにもなるかもしれませんねw
ただ本当に、これでもかってくらいの地獄をあなたが味わいます。
あなたがこれ以上苦しむことは、とても悲しいと私は思います…「じゃあ、どうしたらいいんだよ!」と感じるのも当然です。
どうか、幸せを見るようにしてください。
相手を許せなくても、あなたは幸せになるべきなのです。
幸せを引き寄せる
ここで、カラーバス効果を思い出してください。試しに、いまいる場所で「チョコレート色」のことを考えてみましょう。茶色を見て「これはチョコレート色?」と次々と目に入ってくると思います。
同じように、幸せを見つけることを意識してみましょう。たとえば、喉が渇いたときに水を飲むことは、喉の渇きを癒してくれる水がそこにある、という小さな幸せです。このように、まるで宝探しのように、日々の中で小さな幸せを探してみてください。
「不幸もあるけど?」と思うことが見つかるかもしれませんが、そのときは、あえて不幸を数えないようにしてください。幸せを見つけるごとに「幸せのポイントカード」にスタンプを押し、30個たまったら200ポイントの幸せがもらえる。「不幸のポイントカード」を選ぶのではなく、「幸せのポイントカード」を選んでください。
30個たまった200ポイントは累積されていきます。60個で400ポイント、90個で600ポイント…たくさんの幸せを受け取ってください。
4)終わりに
「最高の復讐は幸せになること」というテーマについて、ここでお伝えしたかったのは二つのことです。一つは、「あなたが幸せにならないことは復讐にはならない」という逆説的な事実。もう一つは、たとえ今、幸せを選べなくても、どうか自分を責めないでほしい、ということです。
責めるのではなく、自分を許してあげてください。
そして、
どうか、幸せを見るようにしてください。
これは、強力なアドバイスです。
アインシュタイン博士が「この宇宙は苦しい場所か?」ではなく「この宇宙は優しい場所か?」と問うた理由も、問い方一つで見える世界が変わるからです。苦しさを問いかければ、苦しみが目に映り、優しさを問いかければ優しい面が見えてくる…宇宙は、そのように答える仕組みになっています。
一歩、進んでください…
自分を許して、自分を幸せにしてあげてください。
あなたが笑顔になりますように…
お読みいただきありがとうございます。
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